増穂登り窯 陶芸ファンなら一度は訪ねたい
「薪で焼きたい……」

電気窯・ガス窯全盛の時代に、古代以来の微妙な色合い・味わいにこだわった一人の陶芸家が、
山梨県増穂町に適地を見つけたのが1990年でした。

のち、薪による焼成の魅力に惹かれた池田満寿夫さんが、大型作品をつくるために、いろいろな方向から薪をくべることのできる変形窯「八方窯」を工夫して敷地内に建設。
いまでは、焼き物の本場・岐阜県などからも、「薪を燃す窯」を見学・視察・実習にくるそうです。
「薪窯」はそれだけ貴重な存在なのですね。

しかも、この窯は陶芸家専用ではなく、アマチュアにも開かれているというのがもう一つの特徴。体験会があるほか、会員になれば「焼成当番」にもなれます! 
満天の星を仰ぎながら、窯に薪をくべるという体験もできます。陶芸が好きな人、必見・必訪です。
登り窯の窯出し 「いい色だねー!」 故・池田満寿夫氏の八方窯
インタビュー/増穂登り窯・陶コーディネーター 太田治孝さん

太田治孝さん


「池田満寿夫八方窯」。
焚き口を5カ所に設け……。


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インタビュー/構成:展(TEN)プランニング
今、ほとんどの陶芸家は電気窯を利用しています。
電気窯が悪いというわけじゃないけど、昔の焼き物は当然薪を燃料にしているわけですね。そんな昔の焼き物の微妙な色合いや風合いを何とか出したくて、薪の窯を作ろうと思ったんですが、煙が出るので都会では無理なんです。

土は運んでくることができるけれど、薪が近くにないと大変なんです。産業的に大量生産するわけではないから、陶土はそれほどたくさんは必要ありません。問題は、煙と薪ですね。1990年ごろ、ここには炭焼きの人がいて、まわりの人も煙が出ることに慣れていましたし、林業がさかんだから間伐材を燃料に使えるという点も魅力でした。

そんなことで、ここに窯を作ったのですが、やってみたら作品に表情が出てきた。やっぱり、電気窯と薪の窯では違うんです。

池田満寿夫さんも、薪の窯の魅力に惹かれた一人です。あの人は大作を作るから、この登り窯では満足できなくて、とうとう自分で大型の窯を作っちゃった。まあ、富士山の眺めがよいということもあったのでしょうが、しょっちゅうここへ泊り込んで作陶をしていました。

この窯は、一般のアマチュアにも使ってもらっています。もちろんプロも来ます。70時間くらい火を燃し続けますから、交替で薪をくべます。見ての通りの山の中ですからね、満天の星を仰いで……というわけです。プロもアマも一緒になってね。



ご案内

増穂登り窯
山梨県南巨摩郡増穂町平林2144
電話:0556−22−8941
火曜日休業
入場無料
体験は要予約/陶土1kg3500円

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最終更新日/2003年8月28日